障害者が日常生活を送る中で困っている状況に遭遇したとき、自分のできる範囲で手助けをする鳥取県発祥の「あいサポート運動」の輪が広がっているが、そのサポーター仲間に人気モデルの押切もえさん(35)と美容家の山野愛子ジェーンさん(50)が加わった。

 

AneCan専属モデルの押切もえさんと山野美容専門学校校長の山野愛ジェーンさんが2015年2月10日、「鳥取県あいサポート大使」に任命され、鳥取県知事公邸にて行われた授与式に出席した。

押切さんは、仕事を通じてハンディキャップアーティストと知り合ったことをきっかけに、同運動に賛同。自身の趣味である絵画を通して、支援運動に参加している。この日は障害者事業所を表敬訪問した後、鳥取県知事公邸にて、美容教育家で山野学苑理事長の山野愛子ジェーン氏、鳥取県知事の平井伸治氏と共に授与式に出席。艶やかな着物姿を披露しながら、鳥取大丸でトークショーを行った。

 

 

 

1)山野愛子ジェーンさんプロフィール

 1964年ロサンゼルス生まれ。12歳で帰国、アメリカンスクールを経て、上智大学外国語学部比較文化学科、山野美容専門学校卒業。祖母である山野愛子氏のもとで美容全般について学ぶ。

 1984年、NYカーネギーホールにて2代目山野愛子を襲名。1995年、山野美容専門学校 校長、山野美容芸術短期大学 副学長・教授。山野流着装教室 宗家、財団法人日本国際問題研究所理事など幅広く活躍中。また、山野学苑は2002年9月、老人福祉施設や在宅の高齢者や障がい者に訪問理美容サービスを提供することを主な目的にした、NPO法人ビューティライフ(全国介護理美容福祉協会)を設立。

 

(2)押切もえさんプロフィール

 1979年12月29日生まれ、千葉県出身、ファッションモデル、タレント

 もえカジ」と言われるおしゃれにカジュアルな服を着こなすスタイルや、「押切巻き」という巻き髪スタイルでモデルとして大ブレイク。以後ファッションモデルに大きな影響を与えた。

 2003年ホノルルマラソンを完走、翌2004年のホノルルマラソンでは盲人ランナーの伴走として参加。

モデル以外に絵画や小説の執筆など多彩な活動で活躍。2014年12月には「小説新潮」1月号に短編小説「抱擁とハンカチーフ」を発表。小説の執筆は2013年8月に書き下ろした長編小説「浅き夢見し」に続く2作目。

なお、押切さんは2014年11月に鳥取県を訪問し、障害者と絵を共同制作した。絵は恋山形駅(智頭町)に展示され、バレンタインチョコレート用のパッケージにも採用されている。

押切さんから、コメント;「今回、あいサポート大使に就任して大変光栄です。ハンディキャップアーティストのみなさんと一緒に、絵を作成しました。ひとつのことを一緒にやることで、深い絆ができます。これからもみなさんに、鳥取県あいサポートを応援してもらえるように、自分に何ができるかを考えて活動していきたいと思います」(押切もえ)

 

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あいサポート運動(障がい者サポーター)

 

〜障がいを知り、共に生きる〜

 私たちは、街中で赤ちゃんが泣いていても何の疑問も感じません。泣くことは赤ちゃんの自然な姿であり、それが普通のことだと「知っているから」です。

 ところが、障がいのあるかたの行動について、どうしてそのような行動をとるのだろう、と不思議に思ってしまうことがありませんか。

 障がいのないかたが不思議に思えることも、障がいのあるかたにとってはごく普通のことであり、特別なことではありません。

 障がいの内容や、障がいのある方の自然な行動を「知らない」から不思議に思えてしまうのです。

 

〜まず、知ることからはじめましょう〜

普段、私たちが眼鏡をかけたり、お年寄りに少し大きな声でゆっくり話かけたりするように、不自由さを補う道具や援助があれば、障がいのあるかたにもできることはたくさんあります。

 また、社会の仕組み(人々の無理解や配慮不足)による「障がい」についても理解する必要があります。

 様々な障がいの特性や障がいのあるかたへの必要な配慮を正しく理解することが、障がいのあるかたも、ないかたも一緒に暮らすことのできる、あたたかい地域社会を築く、第一歩となるのです。

 鳥取県では、障がいのあるかたも暮らしやすい社会を実現するため様々な障がいを正しく理解し、障がいのある方へのちょっとした配慮や手助けができる「 あいサポーター(障がい者サポーター)」制度を2009(平成21)年11月28日に創設しました。

 

2015年1月末現在

あいサポーター:240,477人

研修回数:2,201回

あいサポート企業・団体:880企業・団体

※鳥取県・島根県・広島県・長野県・奈良県の合計

 

 

 

あいサポート運動(2015年2月16日配信『山陰中央新報』−「海調音」)

 

 鳥取県発祥の「あいサポート運動」の輪が広がっている。障害者が日常生活を送る中で困っている状況に遭遇したとき、自分のできる範囲で手助けをする「あいサポーター」の数は増え、県内外で23万8千人(2014年12月現在)に上るという

◆そのサポーター仲間に人気モデルの押切もえさん(35)と美容家の山野愛子ジェーンさん(50)が加わった。若い女性から高い人気を得た「押切巻き」を一度見てみたいと知事公邸に出掛けたが、そんな筆者の浮ついた気持ちを戒めるような凜(りん)とした着物姿に面を食らった

◆押切さんは昨年秋に県内を訪れ、趣味の絵画を通じて障害者と交流を深めた。押切さんが考えるあいサポートは、まずは「自分ができることを知る」ことだと言う

◆無理な背伸びをするのではなく、自分らしい接し方で心を通わせる。簡単なようで実は“自然体”が一番難しいのかもしれない。山野さんは「手を触れて、一緒に頑張ってくれる人がいることの喜び」を実感してほしいと語った

◆一緒に頑張ってくれる人の存在は、障害のある、なしにかかわらず、毎日の生活を豊かに、そして前向きにする。人それぞれの立場で「気は心」を示してはどうだろう。

 

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