大阪・梅田の阪急百貨店内2店舗、聴導犬拒む HPでお詫び

 

 大阪市北区の百貨店「阪急うめだ本店」は、2015年10月、入居する喫茶店2店舗が聴導犬同伴の女性の入店を拒んでいたことがわかったとして、ホームページ上に7日付で「お詫(わ)び」を載せ、同じフロアで補助犬の啓発イベントが開かれた直後で、「誤った対応だった」として女性に謝罪した。

 

 阪急百貨店と阪神百貨店を核に小売り事業を展開する「エイチ・ツー・オーリテイリング」などによると、3日に同店9階であった補助犬について啓発する厚生労働省主催のイベント終了後、参加した女性4人が聴導犬と一緒に同じ階にある喫茶店に入ろうとしたところ、女性のアルバイト店員に「犬同伴の入店はできません」と断られた。

 

同じ階の別の喫茶店でも同様の対応を受け、百貨店の社員が従業員に説明したが「店長が不在で判断ができない」と聞き入れてもらえず、3店舗目で入店できたという。

 

 

 

 

 

阪急百貨店は、身体障害者補助犬法制定(2002年)前の1999年に補助犬の入店を認め、補助犬受け入れを示すシールを店内に張るなど一番早い対応をし、先進的に取り組んだ業界の先駆者として有名。同社の広報担当者は、「それだけに本当に今回のことは…補助犬についての理解が末端のアルバイトやスタッフまでは徹底されていなかったのは明らかです。申し訳ない気持ちです。ただただ、ひとえに私どもの教育・指導不足でした。補助犬について先進的に取り組んできたという自負があっただけに我々としても非常にショックなんです」と語った。 

 

なお、身体障害者補助犬法上の「聴導犬」とは、聴覚の障害により日常生活に著しい支障がある者のために、ブザー音、電話の呼出音、その者を呼ぶ声、危険を意味する音等を聞き分け、その者に必要な情報を伝え、及び必要に応じ音源への誘導を行う犬をいう。

 

 

 

現在愛媛県には、県がはじめて聴覚障害者の「耳」にと、愛媛大学職員の太田琢磨さん(33)=松山市=に贈呈した2歳のトイプードルの聴導犬「ベル」がいる。

 

太田さんは生後9カ月で髄膜炎を発症し失聴しました。2006年にニューヨーク州ロチェスター市にある、国立聾工科大学(NTID)及びロチェスター工科大学(RIT)に留学中、滞在中のホテルで火災に巻き込まれた際、報知器の音が聞こえなかった経験などを通し、聴導犬の利用を決めたという。 

 

 太田さんとベルは1年以上の訓練を経て最終試験に合格し、正式なパートナーになり、自転車の音や大学の授業のチャイムなどをベルが伝えている。

 

 

 参考資料;With nwsHP・阪急うめだ本店HP・日本ASL協会HP・日本聴導犬協会HP・10月10日付『朝日新聞』&『毎日新聞』&『産経新聞』・9月2日付『愛媛新聞』ほか。    

 

    

 

 

 

 

  

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