岐阜県羽島市が「手話条例」 岐阜県内初制定

 

職員の案内や普及促進

 

 

岐阜県羽島(はしま)市議会は2016年3月22日、「手で語ろう手話言語条例案」を全会一致で可決した全文。施行は4月1日。

 

全国で37番目

 

条例は、手話を言語の一つと位置付けたうえで、手話への理解を通して全ての市民が共生する地域社会の実現を目指すことを理念に、今後、市職員が手話での案内や相談手続きが行えるよう、県聴覚障害者協会の講座を受講するなど取り組むほか、イベントなどの啓発活動を通じて聴覚障害者の社会参加を促進し、一般への手話普及を図ることを目的としている。

 

 障害者の権利に関する条約及び障害者基本法において、手話が言語として位置付けられ、2014年4月1日からは障害者差別解消法が施行されが、現状では、市民が手話と接する機会は少なく、手話や聴覚障害に対する理解が十分に広がっているとは言えない状況にある。

 

そうした中、各自治体が条例を設け、手話を広く普及させる取り組みが全国的に広がっており、羽島市は全国で37番目。岐阜県内では初めてとなる。

 

また、名称に「手で語ろう」とは入ったのは、全国で初めて。

 

新たな条例制定による2016年度予算は、計上されていない。

 

 市議会を傍聴した岐阜県聴障協会の水野義弘会長は「共生社会を構築する礎となってほしい」と期待を寄せている。

 

 同市の2013年の度の身体障害者手帳(聴覚・平衡)所持者は、174人。同市でも、聴覚、言語能力、視覚等の障がいのため、日常生活上の初歩的なコミュニケーションの支援、交流活動を促進事業として、手話通訳や要約筆記等を行うものの派遣を行っているが、2013年度の手話通訳等の派遣回数は、88件(費用37万1000円)であった2014年度「はしまの福祉」pdf

 

なお、全国的には、鳥取県で「手話言語条例」を2013年10月に可決され施行、北海道内では新得町で町村レベルでは全国初の「手話に関する基本条例」が2014年3月5日可決され、2014年4月1日より、施行された。

 

三重県松阪市でも2014年3月24日、東海地域では初めて、手話を言語と認め、聴覚障害者が暮らしやすい環境の創設を目指す「手と手でハートをつなぐ手話条例」を可決、2014年4月1日に施行している。

 

さらに、2015年3月26日兵庫県明石市議会は、障害者差別解消法が制定されたことを踏まえ、手話言語や要約筆記、点字、音読、ひらがな表記など、障害のある人のコミュニケーション手段の促進を図ることを目的とする手話言語を確立するとともに要約筆記・点字・音訳等障害者のコミュニケーション手段を促進する条例を可決、千葉県習志野市でも、同様の条例が制定され、4月1日から施行されている。

 

 

羽島市手で語ろう手話言語条例をここに公布する。

 平成28年3月22日

 羽島市長

羽島市条例第15号

 

羽島市手で語ろう手話言語条例

 

手話は、ろう者が、物事を考え、コミュニケーションを図り、お互いの気持ちを理解し合うために育まれてきた言語である。

障害者の権利に関する条約や障害者基本法において、言語として位置付けられた手話を、ろう者とろう者以外の者の相互理解と、その広がりをもって地域で支え合い、全ての市民が共に生きる羽島市を実現することを目指し、この条例を制定する。

 

(目的)

第1条 この条例は、手話が言語であるとの認識に基づき、手話の理解と普及の促進を図り、手話で意思疎通しやすい環境を構築し、全ての市民が共生する地域社会の実現を目的とする。

 

(基本理念)

第2条 手話の理解及び普及は、ろう者とろう者以外の者が相互の違いを理解し、その個性と人格を互いに尊重することを基本として行わなければならない。

 

(市の責務)

第3条 市は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、手話及び基本理念に対する市民の理解を促進し、手話の普及及び手話を使用しやすい環境を整備するための施策の推進に努めるものとする。

 

(市民の役割)

第4条 市民は、手話の理解を深め、市が推進する施策に協力するよう努めるものとする。

 

 (施策の推進)

第5条 市は、次の各号に掲げる施策を総合的かつ計画的に推進することに努めるものとする。

手話の理解及び普及に関すること。

手話による情報取得に関すること。

手話による意思疎通支援に関すること。

前3号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事項

前項の施策は、市が別に定める障がい者に関する計画との整合性が図られるよう努めなければならない。

 

(委任)

第6条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

 

この条例は、平成28年4月1日から施行する。

 

 

 

岐阜県南部、清流木曽・長良川に抱かれ”水と緑”に恵まれた愛知県境の佳境の地。河川による堆積作用によって形成される平野の一種の沖積(ちゅうせき)平野である濃尾(のうび)平野に位置し、ほとんどが砂地という。

岐阜県内で唯一の東海道新幹線岐阜羽島駅と名神高速道路岐阜羽島インターチェンジを併せ持ち、「岐阜県の表玄関」といわれる。東海道新幹線建設時に、政治駅として話題となった。駅前には地元の大物政治家・自民党副総裁(当時)の大野伴睦夫妻の銅像が立っている。

人口は、人口68,516人(男性33,771人 女性34,745人)、世帯25,555世帯(2016年3月1日現在)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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