本庄市手話言語条例

 

 2017年12月22日、埼玉県本庄市議会は、本庄市手話言語条例()を可決した。施行は、2018年4月1日。

 

 埼玉県では、埼玉県にほか、朝霞市三芳町富士見市三郷市桶川市ふじみ野市久喜市熊谷市川口市蓮田市秩父市行田市で同様の条例が制定されている。全国の自治体では、120例目

 

提案理由は、「手話は言語であるとの認識に基づき、手話への理解及びその普及に関する基本理念を定め、市の責務並びに市民及び事業者の役割を明らかにし、手話の普及等に関する施策の推進を図りたいので、この案を提出するものである」。

 

 条例は、手話は、音声による言語とは異なり、手指、体の動きや表情により視覚的に表現する言語したうえで、「手話への理解及びその普及に関する基本理念を定め、市の責務並びに市民及び事業者の役割を明らかにするとともに、手話に関する施策を講じ、推進することにより、ろう者とろう者以外の者が共生することのできる地域社会を実現することを目的」としている。

 

 埼玉県のろうあ団体の創立者の一人(初代理事長)であり、「聾者のために自らを捧げた男」といわれる、ろう者画家の持田徹氏(1913年〜1966年)は、本庄市出身。

 

 

 本庄市の人口は、78,719人(男性:39,245人/女性:39,474人)、33,796世帯(2017年12月1日現在)

 

 本庄市の聴覚・平衡機能障害者は、386人(2010年度現在)

 

第2次本庄市障害者計画 2012年1月

 

 

2006(平成18)年1月10日、本庄市・児玉町の合併により誕生した新生「本庄市」は、大自然、交通環境、多彩な市民活動、伝統ある祭りや文化財、豊富な農産物、地域に貢献する企業、教育研究機関の集積などに恵まれた、資源豊かな総合力のある都市。

 

 本庄市は、東京から80キロメートル圏、埼玉県の西北に位置する面積89.69平方キロメートル、人口約8万人の都市で、東は深谷市、西は上里町・神川町、南は美里町・長瀞町・皆野町、北は利根川をはさんで群馬県伊勢崎市に接している。

 

本庄市は、首都圏近郊都市として発展し、児玉工業団地やいまい台産業団地なども造成されるなど、近代工業が盛んで、市街地にはホテル、マンション、オフィスビルなどが建ち、大手スーパー等大型店も進出するなど、児玉郡市周辺の商工業の中心となっている。さらに、農業では肥沃な農地に恵まれ、ネギ、キュウリ、ナス、タマネギ、ほうれん草、大和芋、レタス等の野菜や、ぶどう、いちご等の果樹栽培も盛んで首都圏などに出荷されている。

 

7月には御輿(みこし)パレードや獅子舞で賑わう本庄祇園まつり(旧・本庄市)、八幡の祇園祭といわれた八坂神社のお祭りであるこだま夏まつり(旧・児玉町)、そして11月には鉦(かね)や太鼓の音とともに豪華絢爛な山車10基を曳き廻す北関東随一の本庄まつり(旧・本庄市)や八幡神社のこだま秋まつり(旧・児玉町)が行われる。

 

 

本庄まつり

 

 

本庄市手話言語条例

 

2018年4月1日施行

 

手話は、音声による言語とは異なり、手指、体の動きや表情により視覚的に表現する言語です。ろう者は、意思や感情を伝えるコミュニケーションの手段として、知識や情報を蓄え、社会生活を営むために手話を大切に育んできました。

しかし、これまで手話を使用しやすい環境が整えられてこなかったことから、ろう者は、意思の疎通や情報の取得などで、不便や不安を感じながら生活をしてきました。

こうした中で、埼玉県のろうあ団体の創立者の一人である、本庄市出身の画家持田徹をはじめとする多くの先人達が手話の地位の確立のために労苦をいとわない活動を続けた結果、障害者基本法において手話は言語であると明記され、手話への理解の広がりと深まりが求められています。

これを受け、手話は言語であるとの認識の下、手話への理解を深め、障害のある人もない人もお互いの人格と個性を尊重して、安心して暮らすことのできる社会を目指して、この条例を制定するものです。

 

(目的)

第1条  この条例は、手話への理解及びその普及に関する基本理念を定め、市の責務並びに市民及び事業者の役割を明らかにするとともに、手話に関する施策を講じ、推進することにより、ろう者とろう者以外の者が共生することのできる地域社会を実現することを目的とする。

 

(基本理念)

第2条  手話への理解及びその普及は、手話は言語であるとの認識に基づき、皆が手話を用いて意思の疎通を図ることを尊重し、併せて、意思の疎通が円滑に進められる環境を築くことにより行われるものとする。

 

(市の責務)

第3条  市は、前条に定める基本理念にのっとり、手話を使用しやすい環境を整備するため、次に掲げる施策を講じ、推進するものとする。

(1) 手話への理解及びその普及

(2) 手話の習得等ろう者を支援する人材の養成

(3) 手話と親しみ、学習する機会の確保

(4) 手話を含む意思の疎通を図る手段による情報を取得する機会の拡大

(5) 前各号に掲げるもののほか、第1条の目的を達成するために必要な施策

 

(市民の役割)

第4条  市民は、基本理念への理解を深め、市が推進する施策に協力するように努めるものとする。

 

(事業者の役割)

第5条  事業者は、基本理念への理解を深め、市が推進する施策に協力するとともに、ろう者が利用しやすいサービスの提供に努めるものとする。

 

(委任)

第6条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

 

附 則

この条例は、平成30年4月1日から施行する。

 

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