椿の会 会報 2018年5月号

 

◇◆◇巻頭エッセイ◇◆◇

 

会長 黒田次宏

 

4月1日に椿の会の総会が終わりました。昨年度の役員の皆さん、お疲れ様でした。また、これからの新役員のみなさん、頑張りましょう!

 

さて、映画を観る時にろう者と一緒に行ったことはありますか?ろう者の方は当然ですが字幕がないと内容がわかりません。よって、私がろう者と一緒に映画に行く時は、ほとんど洋画です。何故って、邦画には字幕が付いてないからです。でも、月に23本の邦画に各々4日間程字幕が付く映画があります。この5月でいうと「映画クレヨンしんちゃん」5/1(火)5/3(木)、「名探偵コナン」5/6(日)/9(水)、「となりの怪物くん」5/13(日)5/16(水)。こんな感じで34日間、字幕が付きます。しかし、その日一日中、付くわけではありません。上映する日に1回だけです。それに、5月には他にもいっぱい邦画があります。だから、ろう者と一緒に邦画を観ることはほとんどありません。

 

また、もっと問題なのは、ろう者の親が聴者の子どもと一緒に、例えば「名探偵コナン」を観ようと思っても難しいです。コナンの上映は5/6(日)5/9(水)ですから、小学生だと5/6(日)の日曜日しか行ける日はありません。お父さんの仕事が理容とかデパートとかだと無理です。夕方からは字幕が付きません。学校が終わってから行こうか、もできません。私は子どもの時に、奥道後にあった映画館(昔、ありました)に両親と一緒に行ったことを、今でも鮮明に覚えています。こういう経験がろう者の両親と聴者の子どもにはできないのですよね。全ての邦画に時間帯も考えて、字幕を付ける必要があると思います。

 

このように、まだまだ聴覚障害者が聴者と同じように生活するには、解決しなければならない問題があります。私もろう者と付き合いがなければ、わからなかったことです。手話の勉強はもちろん、ろう者とのコミュニケーションのために大切なことです。しかし、ろう者との交流を通じて、情報保障とは何か、困っていることは何か、解決すべき問題は何か、という意識を持っていて欲しいと思います。

 

ところで、最近、小学生が入会した学習会があります。各学習会でも柔軟にウイングを広げて、対応できるようにしましょう。若い人を育てていきましょう!これからますます時代は変わっていきます。変えてはならないものと、変えるべきものをしっかり見据えて、組織改変をしていきましょう!

 

 

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