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2015年3月20日、第1回名寄市(なよろし=北海道上川地方北部。人口29,057人〈2015年2月末〉)市議会定例会で、多くのろうあ関係者が傍聴席で見守る中、初となる全議員提案条例の「名寄市みんなを結ぶ手話条例」が原案通り可決された。
名寄市みんなを結ぶ手話条例逐条解説(pdf) 名寄市民憲章(平成19年制定)では、名寄の市民が「からだとこころの健康を大切にし、互いに温かい思いやりをもって、安心して暮らせるまちをつくります」と誓っています。 この温かい思いやりを表現し、いきいきと伝え合うのが言語です。 言語はお互いのこころを通わせる大切なものですが、ろう者にとっても手話は意思を伝え知識を蓄え、文化を創造するための大切な言語です。 障害者基本法(昭和45年法律第84号)においても手話は、言語として位置づけられています。 私たち名寄市民は、手話を言語として認識し、手話への理解の輪を広げ、ろう者が安心して暮らせるまちを実現するため、この条例を制定します。 【解 説】 ここでは、名寄市みんなを結ぶ手話条例がなぜ必要かについて、 障害者基本法及び名寄市民憲章に照らし合わせながら、名寄市 が障がい者から健常者まで誰もが暮らしやすいまちとすることを規定している。 (目的) 第1条 この条例は、手話への市民の理解を広げ、手話を必要とする市民の安心できる日常生活の実現及び社会参加が保障されることを目的とします。 【解 説】 この条例の目的について規定している。 (基本理念) 第2条 手話を必要とする市民は、手話による意思伝達の権利を有し、その権利は尊重されなければなりません。 【解 説】 障害者基本法に基づき、手話の権利について規定している。 (市の責務) 第3条 市は、市民の手話に対する理解を広げる施策、手話を使いやすい環境とする施策を推進するよう努めるものとします。 【解 説】 市の責務について規定している。 (市民の役割) 第4条 市民は、市が推進する施策に協力するように努めるものとします。 【解 説】 市民の役割について規定している。 (施策の推進) 第5条 市は、次の施策を推進するよう努めるものとします。 (1) 手話の普及啓発 (2) 手話による情報取得及び手話が使いやすい環境づくり (3) 手話による意思疎通支援 (4) 前3号に掲げるもののほか、市長が特に必要と認める事項 2 市は、前項に規定する施策を推進するときは、障がい者その他の関係者の意見を聴きその意見を尊重するよう努めなければなりません。 【解 説】 制定する条例の効果を高めるため、具体的な取り組みについて規定 している。 2は、掲げる施策を推進し取り組むため、障がい者や関係する市民ら の意見を聴きその意見を尊重することを規定している。 附 則 この条例は、公布の日から施行する。 |