【全国手話言語市区長会」設立総会兼手話言語フォーラム】

 

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2017(平成29)年度 全国手話言語市区長会総会 開催

 

2016年3月3日(耳の日)、全日本ろうあ連盟や日本財団の運動の結果、「手話言語法」の制定を求める意見書が1,788の全地方議会で採択された。

 

813の全国の市長(特別区の区長を含む)をもって組織されている全国市長会からも意見書が提出されており、手話言語法制定への機運が高まっている(全国都道府県議会議長会も議決)

 

また国に先駆けて、鳥取県をかわきりに51の自治体で手話言語条例や情報コミュニケーション条例が採択された。 

 

 こうした中の6月8日、東京・都市センターホテルで「全国手話言語市区長会」の設立総会兼手話言語フォーラムが開かれ、全国の市長64人が参加した。

 

 総会では、「政策と予算の伴う法律の整備を求め、同時に手話を多くの人が理解し、話す、言語として普及を目指したい」との決意表明があり、国全体で機運を高めるため、自治体の先進的な取り組みを共有し、協力して情報交換や啓発に取り組むなどの事業計画を確認した。

 

全日本ろうあ連盟が作成した手話言語法の試案は、手話を日本語と同等の言語と位置付け、教育をはじめ、政治参加や司法手続き、職場などさまざまな場で手話を使用する機会の保障を規定。手話通訳を利用しやすい環境整備も盛り込み、国に法整備を求めている。

 

 

総会には407名が参加

 

の会は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、聴覚障害者に対する情報保障の環境整備を進め、全国の自治体における施策展開の情報交換等を行うことを目的としており、現在全国790市と東京23区の首長のうち計250人が加入している(6月7日現在)

 

フォーラムのパネルトークには、発起人の各市長らが登場。手話言語条例を制定した自治体の市長8人が、条例の特徴や制定後の施策を発表した。

 

 

その後、井手裕彦読売新聞大阪本社編集委員がコメントを述べ、尾形武寿日本財団理事長が総括を行った。

 

 

初代会長には、2013年12月に全国の市町村として初めて(自治体としては、鳥取県に次いで2番目に)手話言語条例を制定した北海道石狩市(札幌市の北に隣接。人口59,015人=2016年5月末現在)の田岡克介市長が就き、「手話をもっと多くの人が理解できるようになれば、社会は変わるだろう」とあいさつ。「全国の中高生による手話演劇大会を開き、手話そのものが文化だと若い人たちに知ってもらい、機運を高めたい」と述べた。

 

石狩市では、小中学校が手話の授業を取り入れるなど、市民に手話が広まりつつあり、田岡市長は「石狩の取り組みを全国に広めたい」とも話した。

同市の13の小中学校では2016年度、5校が総合学習の時間などを使って手話を学ぶ(各学年、年間2コマ実施)。石狩小の6年生は特に力を入れており、16回行われます。原田伊織校長は「子どもたちには手話の学習を通じて、障害者への理解や、他者とのコミュニケーションを図る力を培ってもらいたい」と狙いを語っている。

 

会長に就任した田岡克介石狩市長

 

 

なお、同市障がい支援課によりますと、大型ショッピングセンターの従業員や高齢者クラブなど対象の出前講座は2016年度、115回を予定。今後も増える見込みという。

 

 会の顧問には、ビデオメッセージを寄せた平井伸治鳥取県知事が、相談役には尾形日本財団理事長が就任した。

 

 

代表発起人

石狩市長 田岡 克介

発起人

郡山市長 品川 萬里

新潟市長 篠田 昭

富士見市長 星野 信吾

伊勢市長 鈴木 健一

明石市長 泉 房穂

萩市長 野村 興兒

高知市長 岡ア 誠也

日向市長 十屋 幸平

 

参考資料;全日本ろうあ連盟、日本財団、全国市長会、明石市、石狩市の各HP、2016年3月9日&6月8日配信『北海道新聞』、6月9日配信『毎日新聞』、『神戸新聞』、『京都新聞』、『共同通信』。 

 

 

 

 

(ひと)田岡克介さん 全国手話言語市区長会の初代会長を務める北海道石狩市長(2016年10月8日配信『朝日新聞』)

 

 手話がひとつの「言語」であることを明確にし、様々な施策を進める「手話言語法」の制定を求め、全国各地の市区長250人が6月、一丸となって動き出した。その先頭に立つ。

 「手話には独自の文法、語彙(ごい)がある。日本語の他に手話がある多言語の国で、ろう者があらゆる場で手話を使って暮らせるよう法整備がどうしても必要なんです」

 助役から市長になった石狩市で2013年、市町村としては初めて手話基本条例を制定した。市内では多くの小中学校が手話について教えるなど先進的な取り組みが続く。「これから地域社会がどうなっていくか。楽しみだね」

 手話へのこだわりは、5年ほど前に市民との懇談で条例を求める声を聞いてからだ。「それまで深く考えたことがなかった」

 国学院大の学生時代に聴いた言語学者・金田一京助の授業が、突然よみがえった。明治の同化政策で使われなくなっていったアイヌ語の研究に傾注した金田一は、民族にとっての言語、母語の重い意味を熱く説いていた。「あの『DNA』がなければ、手話と聞いて、すぐに反応できたかどうか」

 6年前、腎臓病の悪化で妻から移植を受けた。さらに脳梗塞(こうそく)も乗り越え、腰椎(ようつい)の手術も受けた。満身創痍(まんしんそうい)だが、法制化へと前進させることが、金田一の薫陶を受けた一人としての宿命に思えてならない。     *

 たおかかつすけ(70歳)

                                         

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