足立区手話言語と障がい者の意思疎通支援に関する条例

 

 

東京都足立区議会は、2019年3月19日、議員提案の足立区手話言語と障がい者の意思疎通支援に関する条例案を全会一致で可決した。施行は2019年4月1日。

 

 同種に条例は、都内では、江戸川区荒川区豊島区に次いで4例目。全国では230例目。なお、パブリックコメントは実施していない。

                                                                                                                                                    

 区の聴覚障害者数は2,289人(2019年3月1日現在)

 

 条例制定に伴い、手話通訳者の養成を図るため、2019年度から手話講習会について、これまでの初級、中級、上級に加え、手話通訳者養成コースを設置する(手話通訳者養成コース設置に伴う予算額 501,000円)

 

 

足立区手話言語と障がい者の意思疎通に関する条例

 

公布;2019年3月15日

施行;2019年4月 1日

 

1、パブリックコメントの有無。

今回の条例はため、

 

1、直近の聴覚障害者数と日常的に手話を使用しているろう者の数

日常的に手話を使用しているろう者の数については、申し訳ございませんが、区では人数を把握しておりません。

 

 

手話は、言語であり、 ろう者にとって命です。手や指、体の動きなどを用いる独自の語業及び文法体系を有する手話は、ろう者とろう者以外の者が、互いの人権を尊重して意思疎通を行うために必要なものです。

また、全ての障がい者にとって、 自ら意思疎通手段を選択することは必要な情報を得るために、及び相手の想いや考えを理解し、相互に人格と個性を尊重し合い、 日常生活や社会生活を営む不可欠なものです。

足立区は、手話が言語であることへの理解を促進するとともに、 障がいの特性に応じた円滑な意思疎通手段の選択、情報の機会を図ることにより、障がいの有無にかかわらず誰もが住みなれたまちで安心して生活し続けられる地域社会の実現を目指して、この条例を制定します。

 

(目的)

第1条 この条例は、手話が言語であることへの理解の促進及び障がい者の意思疎通に関し、基本理念を定め、足立区(以下「区」という。)、区民及び事業者の役割を明らかにすることにより、区民が互いに人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現することを目的とする。

 

(定義)

 第2条

 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれそ各号に定めるところによる。れぞれ当他

(1)障がい者 身体障がい、知的障がい、精神障がいその他の心身に障がい(以下「障がい」という。)がある者であって、障がい及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にある者をいう。

(2)社会的障壁 障がいがある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。

(3)ろう者 障がい者のうち、手話を言語として日常生活又は社会生活を営む者をいう。

(4)区民 区の区域内(以下「区内」という。)に在住、在勤又は在学する者をいう。

(5)事業者 個人又は法人その他の団体で、区内で事業活動を行うものをいう。

(6)意思疎通手段 手話、要約筆記、筆談、点字、拡大文字、読み上げ、平易な表現その他障がい者が意思疎通を図るために必要とする手段をいう

(基本理念)

第3条 手話が言語であることへの理解の促進及び手話の普及は、手話が独自の言語体系を有する文化的所産であるという認識の下に行うものとする。

2 障がいの特性に応じた意思疎通手段の選択の機会の確保は、障がい者が意思疎通を円滑に図ることができるようにすることを基本として行うものとする。

3 障がいのある人もない人も相互にその違いを理解し、人格と個性を尊重しなければならない。

 

(区の責務)

第4条 区は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、手話が言語であることへの理解の促進と手話の普及を行うとともに、障がい者が日常生活及び社会生活において障がいの特性に応じた意思疎通手段を利用して必要な情報を得られる環境の整備に努め、障がい者の意思疎通に関する施策を総合的かつ計画的に実施するものとする。

 

(区民の責務 )

第5条 区民は、基本理念に関する理解を深め、区が推進する施策に協力するよう努めるものとする。

 

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念に関する理解を深め、区が推進する施策に協力するよう努めるものとする。

2 事業者は、障がい者が利用しやすいサービスの提供及び働きやすい環境の整備のため、手話が言語であることへの理解及び障がいの特性に応じた意思疎通手段の選択についての合理的な配慮に努めるものとする。

 

(施策の推進)

第7条 区は、次に掲げる施策の推進に努めるものとする。

(1) 手話が言語であることへの理解の促進と手話の普及に関する施策

(2) 障がいの特性に応じた意思疎通手段の選択の機会の確保に関する施策

(3) 前2号に掲げるもののほか、区長が必要と認める施策

2 区は、前項の施策の推進にあたっては、障害者基本法(昭和45年法律第84号)第11条第3項の規定により区が策定する計画及び障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第88条第1項の規定により区が定める計画との整合性を図るものとする。

 

(意見の聴取)

第8条 区長は、前条第1項各号に掲げる施策を推進するに当たり必要があると認めるときは、障がい者その他関係者から意見を聴取するものとする。

 

(財政上の措置)

第9条 区は、第7条第1項各号に掲げる施策を推進するため、予算の範囲内において、必要な措置を講ずるものとする。

 

(委任)

第10条 この条例の施行に関し必要な事項は、区長が別に定める。

 

付 則

この条例は、平成31年4月1日から施行する。

 

 

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